第0回 子育ての科学(哲学)開催報告

こんにちは。大変遅くなりましたが、第一回子育ての科学(7月26日開催)のイベントレポートをお届けします!

「子育ての科学」の記念すべき第一回は、梶谷真司先生をお招きして、「自然な子育てとは何か?」というテーマでの講演をしていただきました。

当日は、多くの育児中の女性に加え、妊娠中の女性、育児を全面的に担ってこられた男性、近い専門領域を研究されている方、企業で関連分野を調べられている方、そして0~9歳のたくさんのチビッ子たちにご参加いただき、和やかなムードで講演がはじまりました。

私たちは、生活のあらゆる面で“自然であること”を大事にする傾向があります。子育てについても、例えば、自然分娩、布おむつ、母乳、出産後の母子同室などが”自然”で、価値のあることのように捉えられていないでしょうか。

実は、江戸時代には育てにおける“自然さ”が現代と全く違った意味で使われていました。階層や地域にもよっても異なりますが、たとえば当時の産後の様子を描いた絵図からは、当時授乳や乳幼児の世話は、母親ではなく乳母が中心的に担っていたことがうかがえます。講演では、江戸時代から近代までの母乳の捉えられ方を例にあげ、時代や歴史背景によって、自然というものが決して変わらないものではないことを教えていただきました。

参加者の方々からは、「”自然”そのものが社会的に作られた過程がよくわかりました」「自然・・・ってあまりにも”自然”に使いすぎて、疑わなかった」といった感想や、「江戸時代の子育ては、規制が多く大変だったことは興味深かった」「母親の乳が絶対的に良いものとは思われていない時代があったことが新鮮だった」といった声が聞かれました。

質疑応答の時間には、参加者の方々の経験に基づいた意見や質問が出て、時間いっぱいまで活発なやりとりが繰り広げられました。育児中の女性たちの関心の高さは企画側の想像以上で、しつけや教育についてや国際比較、医学的見地などについても知りたいとの要望を寄せていただきました。今回いただいた反響やご意見をもとに、次回以降の企画につなげたいと思っています!

梶谷先生、ご参加いただきました皆様、改めてどうもありがとうございました。

***梶谷真司先生 プロフィール*************
東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は哲学、比較文化、医学史。哲学では身体と感情をテーマにしつつ、東洋の医学書・育児書・養生書を読み解き、人間のあり方の歴史的・文化的特徴について考察している。最近では、「哲学対話」のプロジェクトを推進している。
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